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2010年2月 4日 (木)

『ラブリー・ボーン』

 「ダークファンタジー」なんだそうであるが、どちらかというと、犯人捜し、というより、すでに犯人はわかっているのだが、警察がいかに犯人に気づくか、までのサスペンスを、殺されてしまった少女の無念の思いを、霊界(?)から伝えるという不可思議な映画になっている。画面は美しい。凡庸な「映画評論家」は、名子役、シャーシャ・ローナンを褒め称えるだろう。『つぐない』で、いかにも残酷な少女を演じた、この若き女優は、なるほど演技派である。だからこそ、この話題作の主演に選ばれたのだろう。
 私はもう少し深く、この作品のサスペンスを成り立たせているものについて考えてみたい。それは、犯人の気持ち悪さである。この犯人は、物語の早いうちから、観客には犯人とわかる。一部の登場人物にも、それとわかる。犯人がいかに少女を殺し、いかにその犯罪を隠すかというサスペンスが、少女の霊界ファンタジーとサンドイッチになっている(笑)。それで混乱する観客もいるかもしれない。
 しかし、あえて言えば、本作は、たぶん、気持ち悪い犯人を演じた、スタンレー・タッチの演技にかかっている。このオジサンがキモければキモいほど、少女の生は美しく輝き、物語もまた、感動に変わる──。
 よって、今回のアカデミー助演男優賞ノミネートとなった。おめでとうございます。
 次回作(は、すでに撮られているかもしれませんが)以降、FBI捜査官とか、そういう正義の味方で、ぜひ、お会いしたいです(笑)。
 しかし、やっぱり、ハリウッドのプロたちは、目の付け所が違う! 

 *****

 「お写真」は、プルーストセンセイと@オルセー美術館(2009/12/27)

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