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2010年4月

2010年4月 5日 (月)

『Nine』__マストロヤンニが恋しい

 もう今となっては、本作が、マルチェロ・マストロヤンニ主演の、フェリーニ監督の自伝的白黒映画がオリジナルであることを、知らない世代もおおぜいいるかもしれない。あの『81/2』を、ミュージカルに仕立てたのが、『Nine』で、それをさらに映画にしたのが本作だ。
 だいたい、あの微妙かつ繊細な、前衛的とも言える作品を、ミュージカルにすること自体、あまり意味のあることではなかったのに、ご丁寧にそれを映画にしてしまうとは……(ため息)。

 従って、本作は、オリジナルの映画が持っていた、必然性、生(せい)の感触と対をなす、イマジネーションに満ちた映像美というものが、まったく抜けてしまっていて、ただ、設定だけなぞって、しかもスター俳優を並べたてただけが呼び物になっている。

 そんな映画に出てしまった時点で、ダニエル・デイ・リュイス以下の「アカデミー賞」俳優たちは、その賞を貶めてしまった。せっかく、べつの作品で評価された俳優たちは、すべて、(本作で、唯一アカデミー助演女優賞にノミネートされた)ペネローペ・クルースを含めて、マイナス点をつけてしまった。
 
 苦悩の遊び人、マルチェロ・マストロヤンニの、粋なイタリア男あっての、「女たち」だった。そういう意味で、世界がマストロヤンニを失ってしまった欠落は大きい。

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 「お写真」は、「わん太とお花見」

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