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2010年10月13日 (水)

『ナイト&デイ』──「普通の女」の時代

 
 『ソルト』のアンジェリーナ・ジョリーの役は、トム・クルーズがやることになっていたそうだが、なるほど、あの役を、女性のアンジェリーナが演じた方がおもしろくなっていた。あれを、トム・クルーズが演じたら、『ミッション・インポシブル』とそう変わらない、二番煎じのスパイものになっていただろう。そういう役を蹴って(?)、トムが、なんで、わざわざ同じようなスパイ・アクションものに出るのか? 本作を観て納得した。

 スパイものも、時代が進むに従って、新しいなにかが必要になってくる。国際的な状況も、テクノロジーも、時代が映画に追いつき、追い越していく。ボンドガールを「守る」『007』は、設定が新しくなっても、どこか感情移入できない。強い女の『ソルト』は、時代には即していたが、ソルトの「事情」や背景が暗すぎた。

 いまは、「一般人」の時代である。「一般人」が、スパイを救う──。それを、「メカに強い」「楽観的な」「一般人の女」を、キャメロン・ディアスが演じている。ただの「ゴージャスな組み合わせ」以外、なんでこのふたりが? と思うような組み合わせであったが、映画を観れば、この2人しか考えられない組み合わせである。

 「デリケートな心遣い」が魅力のスパイ、トム・クルーズと、「大胆不敵な」一般人の女性、キャメロン・ディアスが、「いま最もピンと来る」スパイものを見せてくれる。

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