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2010年12月

2010年12月22日 (水)

『脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント 』──リファレンスがよい

『脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント 』茂木健一郎 ( PHPエディターズグループ 2010年12月刊)

 もう茂木健一郎の「脳のなんとか……」にも辟易の読者もいるかもしれない。茂木氏に好意的な評価をしている私なども、そのあたりの感覚は否めない。しかし、店頭に新著が並べば、なんとなく手に取ってしまう。目次をぱらぱらとみて、ひとつかふたつ……いや、3つぐらい、「ん?」と思うものがあれば、買ってしまう。

 本書は、講演記録を編集者がまとめ、著者が加筆を経たものである。まあ、忙しい著述家にはありがちなパターンではある。しかし、それゆえに、というか、じかに書いたものより、氏の主張が凝縮されている。有効情報の割合が高い。それに、やはり、行間から滲み出る、著者の人柄のよさにどこか心が暖かくなる。すなわち、自分の持てるものは、あますところなく公開しようという態度である。

 英語、政治、科学、経済……著者はよく勉強し、し続けている。普通、そういうものの、リファレンスは、ネタもととして、あまり公開したくないものだが、著者は惜しみなく公開している。今、日本で、最も良心的な著者と言える。

脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒントBook脳が変わる考え方―もっと自由に生きる54のヒント

著者:茂木 健一郎
販売元:PHPエディターズグループ
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2010年12月18日 (土)

『クロッシング』──現場を見てください>キャリア組の方

『クロッシング』原題:BROOKLYN'S FINEST 2009年
アントワーン・フークア監督

 リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルといった、別個に主役を張ってもおかしくない俳優たちが、職業(刑事)は同じながら、ただすれ違うだけで、とりたてて絡むわけでもない個性のまったく違う男たちを演じる。彼らはそれぞれ、苦悩を背負っている。その苦悩にも一見、共通点はないように見える。

 ニューヨークの犯罪多発地帯、低所得者層の住まう街を舞台に、まったく夢も希望もない、しかしかなりリアルな生活が描かれる。なにかと高邁なお説を垂れる高級官僚、キャリア組は、こういう現場に一定期間勤務されてはどうか?

 いったい、「正義」などというものになんの意味があるというのだろう? それでも、3人の刑事は必死にそれぞれの正義を追求する──。ただ、それだけの映画だ。意味は見たものが考えなければならない。

 脇役も、さりげなく豪華である。ウェズリー・スナイプス、エレン・バーキン……。とくに、上級捜査官のエレン・バーキンはド迫力だ。犯罪多発地帯の魔力に、権力志向の女として拮抗している。最もコワい女優だ。

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