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2011年1月

2011年1月17日 (月)

『KAGEROU 』齋藤智裕著──「作家」とはそんなにいいものか?

 『KAGEROU 』齋藤智裕著(ポプラ社 2010年12月刊)

 アマゾンでレビューを書いたり、読んだりしていると、しだいにわかってくるのだが、どうもレビュー数は、売れている数と連動していると思う。その点、本書のレビュー数(670件あまり)も例外ではないでしょう。
 村上春樹もここまで多い著書はないと思う(『ノルウェイの森』上巻で約370件)。

 問題は、いかに読むかということである。ファンとして、何かを探ろうと読むなら、それはそれで、ひとつの読み方ではある。ただ、私は、有名な名前の芸名の方も、mixiでファンの人が書いていたのでやっと知ったぐらいなので、本名だろうが、芸名だろうが、関係ない。

 売れているはずのタレントだかなにかをやめてまで、「作家」になりたいのだろうか? ニュースによれば、2000万円という賞金を辞退してまで、彼をそうせているものはなにか? 考えることの方が興味がある。

 それほど、「作家」という肩書き、あるいは、「職業」は魅力があるのだろうか? ほんとうに書くことがすきなら、賞を狙わず、出版社に持ち込み(有名な芸能人なら、稚拙でもどこかで出してくれただろう)か、自費出版(どんな豪華本でもできたでしょうに)すればよかったのではないか? やはり、出版社が彼の知名度を利用したのなら、彼も、一応文芸書を出す出版社の賞という「ステイタス」を利用したのでしょう。ま、持ちつ持たれつですな。

 ただ文章だけを言うなら、数ページを読めば、まあ、この人は、あんまり文学作品は読んでないんでしょうね、ってのが、まるわかりの文章ではあります。しかし、その割には、「がんばって書いてる」とは思いますよ。しかし、そういう状態で、どこまで行けるかは、不明ですね。次回作に、期待します(笑)。

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 細かいことを言うなら、本書は、236ページで、原稿が実際に印刷されているページ数は、233ページ。一般的な文芸書の組み方は、40字以上×18行ぐらいなのに対し、本書は、38字×14行で、1ページの字数が、かなり少ない。
 原稿用紙の枚数に換算すると、300枚ほどしかないはずで、「長編」として、1冊の本にするには、ちょい厳しい。かてて加えて、確か、「ポプラ社小説大賞」は、最低枚数は、300枚より多かったはず……てなことを考えながら、確かめるために、「ポプラ社」のサイトに行ってみたら、なんと、「第5回をもってポプラ小説大賞」は終わり、「ポプラ社小説新人賞」になってました。賞金も、2000万円から200万円に、枚数も、最低枚数は200枚に……。

 ということです。しかし、この出版社の本で、けっこういい本もあったんですよ。翻訳書ですけど、スタインベックの『チャーリーとの旅』(スタインベックが、スタンダード・プードルと旅する様子を描いたエッセイ)とか……。

http://www.poplar.co.jp/taishou/apply/index.html


KAGEROUBookKAGEROU


著者:齋藤 智裕

販売元:ポプラ社

発売日:2010/12/15
Amazon.co.jpで詳細を確認する


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2011年1月12日 (水)

寒い夜に、ハンガリアン・シチューはいかが?

いわゆる「おかず」とは違う、気分を変える、ちょっとリッチなお料理を暖かい「おうちで」、楽しみながら、作ってみましょう。「おうちでディナー」のための、「”はやリッチ”お料理教室」をオープンしました。↓

http://www.mars.dti.ne.jp/~rukibo

このレシピ↓を、私的「手抜き」アレンジ(笑)!

Home-cooked Comforts: Oven Bakes, Casseroles and Other One-pot DishesBookHome-cooked Comforts: Oven Bakes, Casseroles and Other One-pot Dishes

著者:Laura Washburn
販売元:Ryland, Peters & Small Ltd
Amazon.co.jpで詳細を確認する


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2011年1月 9日 (日)

学識とはイヤミである? ──蓮實重彥『随想』

 蓮實重彥『随想』(新潮社 2010年8月刊)

「高度消費社会」、あるいは、「高度消費社会」の荒波の上に、「とりあえず」は浮上して、まっとうな啓蒙論客を気取って、イタリアンなどを編集者と食べて、ああうまかった、とTwitterで書いて、それで韜晦したかのように悦にいっているかに見える「ブログの書き手」への反論も、周到なリファランスを援用しつつ、さりげなく、してみせる、蓮實節は、健在である。

 本書を読めば、「脳ってなに?」「勉強ってなに?」「生きるってなに?」という疑問がめきめき頭をもたげ、「高度消費社会を勝ち抜く」ために、世間に溢れている指南書も、クズに思える。

 かなりイヤミでは、ある。しかし、もともと、イヤミとは、学識のことである。世界のまっとうな学者の論考は、こうした細かいリファランスに満ちている。マルクス『資本論』しかり。

 まあ、「ブログの書き手」としか、認識されていないのではあるが、こうして反論を何ページにもわたってしてもらえただけでもよかったですね、内田樹サン、てとこでしょうか(笑)。

 さらにディープに……こちゃへ↓

「評論的なるものをめぐって」を見てね↓

http://www.mars.dti.ne.jp/~rukibo/

随想Book随想

著者:蓮實 重彦
販売元:新潮社
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