« ニューヨークの雨 | トップページ | 『奇跡』──世界を選ぶことのすばらしさ »

2011年6月 1日 (水)

『アジャストメント』──SFがラブ・ストーリーだっていいじゃないか

 政治モノなのか、SFなのか、ちょっと変な気持ちを抱くような作りである。まあ、原作がフィリップ・K・ディックなら、さもありなんという感じである。本作の主人公を、トム・クルーズが演じたら、安心してSFと思えたかもしれない。しかし、マット・デイモンだと、われわれはどうしても、もう少しホネのあるスパイものを自然に期待してしまう。話が進むにしたがって、そういう期待はどんどんはぐらかされていく。
 NYに雨が降る。なんかいい感じである。湿った船着き場。キーパーソンから借りたパナマ帽をかぶって、マットが走り出す。雨のNYを。音楽が劇的に変化する──。
 結局、ラブ・ストーリーである。ラブ・ストーリーはどれも陳腐である。だからラブ・ストーリーなのだが。SFがラブ・ストーリーだっていいじゃないか、と納得して帰れば、少しは救われた気分になる。

F_ferry2


アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)Bookアジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)


著者:フィリップ K.ディック

販売元:早川書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« ニューヨークの雨 | トップページ | 『奇跡』──世界を選ぶことのすばらしさ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『アジャストメント』──SFがラブ・ストーリーだっていいじゃないか:

« ニューヨークの雨 | トップページ | 『奇跡』──世界を選ぶことのすばらしさ »