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2011年7月15日 (金)

『ラスト・ターゲット』──突然の純文学

『ラスト・ターゲット』アントン・コルベイン監督

 本作は、エンターテインメント+ジョージ・クルーニーのかっこよさを期待していくと、なんか違うとはぐらかされた気持ちがすると思います。
 人生に嫌気がさしている殺し屋が、イタリアの小さな町に潜伏して、銃をカスタマイズする仕事をしている。そこで、清純な(?)娼婦に出会い、もしかしたら人生が変わるかもしれないと期待を抱く……という物語が淡々と描かれる。セリフも登場人物も少ない。陽気なはずのイタリアの町もどこか陰気くさい。ジョージ・クルーニーの表情も重苦しい。印象に残るのは、銃をカスタマイズする、つまりは、改造銃を作り上げる綿密な過程と依頼人の女と交わされる「専門用語」。
 観客をスカッとさせてくれるはずのクルーニーはいったい本作に何を求めたのか? うーーーん……志が高い!としか言いようがない。寡黙な主人公の日常を追い続けてドラマにしたフランスのロベール・ブレッソンの作品をも彷彿とさせる。
 邦題はひどいタイトルである。そこから観客の誤解が起きる。現代は、『The American』。Theが問題である。その町にただひとりしかいないアメリカ人。ときどき、イタリア語を話すクルーニー。見かけより硬派な男と見た。

 「おまけ」

 たまにネットでも、いわゆる「映画評論家」という人々のレビューを読むが、こういう時代になって、その型にはまったディスクール&エクリチュールが目立って、なんかズレてしまった感がある。本作評、映画.com 芝山幹郎氏しかり。


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