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2011年12月 5日 (月)

「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」──少年の清らかさ

「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」(スティーブン・スピルバーグ監督)

 THE ADVENTURES OF TINTIN: THE SECRET OF THE UNICORN
 
 フランス人なら誰もが知っている、フランスのエスプリたっぷりのあの「タンタン」を、イギリス人俳優だけで演じている痛快さ。もしフランス人がフランス語で演じたら、たとえスピルバーグといえど、これほどの漫画っぽさは出せなかっただろう。これは「アニメ」ではなく、「漫画」である。古き良き、夢のある時代を匂わせつつ、紳士なセリフまわしで世界冒険に出なければならない。漫画の主人公は、「鉄人28号」(古くてごめん(笑))の正太郎クンといい、コドモなのに、職業を持っていたり、車の運転をしたり、ピストルを持っていたりする。すべて、「少年の夢」の世界である。

 わがタンタンもしかり。しかも、特ダネをたくさんものしている、有名なジャーナリスト。そんなはずはあり得ない(笑)。しかし、漫画というものは、アメリカの「カルヴィンとホッブス」しかり、少年がまるでおとなのようにふるまうものである。しかし、ではなぜ、おとなでなく、いつも少年が主人公なのか。それは、世界の清らかさを求めているからである。

 スピルバーグはそこのところをよく心得ていて、帆船が重要なテーマではあるが、間違っても、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のように、どこか薄汚く撮っていない。悪役の犯罪者も、すべて清らかなのである。
 そして、スピルバーグは世界的な巨匠になりながら、どこかの国の黒澤明のように(笑)巨匠然とはしていなくて、常にリスクを取っている。それでこそ、真の巨匠! 「犬目線」や「鳥目線」のデティールにも感心した。

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