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2012年9月

2012年9月18日 (火)

『鍵泥棒のメソッド』──恥ずかしながら、内田けんじ初体験!!

『鍵泥棒のメソッド』内田けんじ監督、脚本 

 すみません、内田けんじってシネアストを全然知りませんでした。なんか外国製の映画ばっか観て、悦に入ってました。たまに日本製でもおもしろいものはあるのは知っていても、せいぜい、是枝監督程度でした。しかし、本作は、予告編でただならなさを感じて、観ましたら、びっくりしました。脚本も演出も、世界的レベルでした。そして、内田監督の経歴を知るや、なっとく~でした。
 まず、内田自身による脚本がいい。センスもいいし、テーマもいいし、構成も憎い。キャスティングもすばらしい。広末涼子ってひとは、どこか誤解され、嫌われることも多いみたいだけど、しかし、常に不動の人気を保っている不思議。その秘密がわかったようでした。この人はほんとうは、すごく頭がいい人なのではないかと思った。そういうところが完全に生きている。そして、人生。とくにレンアイ。まさに、本作にあるような、なにかの音(!)、それは車のセイフティーなんとかのクィーン、クィーン、クィーンって音とほとんど重なっている。
 そして、香川照之。これまで知性を隠して演じるというところが得意だったけれど、これは知性丸出し。しかもほんものの知性。「東大生のきれいなノート」(笑)!。これだ。クレジットにも「ペン字指導」とあった。案外、ノートが主役かも、の、映画でなければできないシーンに瞠目。
 あ、本作は、演技論映画としても鑑賞できるメタ映画でもある。私も演劇科だったんで、いろいろ懐かしかったです。とくに「メソッド」がねえ。

2012年9月11日 (火)

『夢売るふたり』──反『Domani』映画

『夢売るふたり』西川美和監督

 30代女性を読者層に想定した『Domani』なるファッション雑誌がある。その雑誌では、「女」「妻」「母」代表と称して、30代女性の「理想の現状」をファッションのあり方とともに紹介している。また、それぞれの立場から装った、聞こえのいい職業を持った、見栄えのいい読者をファッションとともに紹介している。こういう雑誌が描き出す、幻想の30代というのは、それなりのキャリアを積み、お金もあり、異性のパートナーともうまくやって、しかも、ファッションはばっちり決めているという姿である。今の日本に、こういう雑誌が描き出す「アラサー」「アラフォー」の女性たちは存在するのか? あるいは、自分はそうだと「なりきっている」人々もいるだろう。
 しかし、人生というのは、それほど単純なものでも、ファッショナブルなものでもない。人はそれぞれの事情を抱えて生きていかなければならない。それは、人生でいちばん輝いているはずだと雑誌が吹聴する30代女性も同じである。
 本作は、気品と透明感で、凡庸な容姿を突き抜けている主演の松たか子をはじめ、さまざまな女性が出てくるが、誰ひとり、上記の雑誌が想定するような姿の女性はいない。「女子会」などという居酒屋用語でくくられる「女子」たちもいない。そこには、懸命に人生を生きようとする「第二の性」に区別される人間しかいない。その「心理」を、映像化して見せたのが本作であると、私は見た。

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「お写真」は、わん太が豊橋に帰省して、「弟」と再会した豊橋公園にて。

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