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2012年10月

2012年10月19日 (金)

『別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』──著者自身がグロテスク

『別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』(佐野眞一著、講談社刊 2012年5月刊)

『東電OL殺人事件』はそれなりに読ませたし、被害者の女性の男社会で差別される悲しみも描かれていたように思うが、本書は、その「出自」をテッテイ的に洗う手法はさらに凄みも増し、なんでこんな事件をここまで? というほどである。『東電OL』には、今の「東電問題」に繋がるような根深さも見えたが、本書のテーマはそれほどの社会性も見られない。ありふれた(?)猟奇殺人事件である。それなのに、著者は、それを執拗に意味のある何かと結びつけようとして、気味が悪い。もしかしたら、ボケてしまったのか。

 そして、今度は、「橋下徹」の記事である。今後、「週刊朝日」での連載が続けられるようなら、本書よりさらにグロテスクな本になるだろう。どうせなら、この手法では、「尼崎コンクリート詰め殺人事件」を扱ってほしい。といっても、この事件は、テッテイした「出自」調査は意味をなさず、テッテイした心理分析が待たれるだろう。それは、佐野眞一では荷が勝ちすぎているだろう。

 ま、本書は、ジャーナリストとノンフィクション作家の違い、その深い乖離が見られる貴重本であるとは言える。しかし、読後の空虚感はほかのまっとうな書籍で埋めるしかないだろう。

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2012年10月11日 (木)

『小説講座 売れる作家の全技術 ──デビューだけで満足してはいけない』──一応、レビューしたんですけど……(笑)

『小説講座 売れる作家の全技術── デビューだけで満足してはいけない』(大沢在昌著、角川書店、20128月刊)

 私は某文芸誌よりデビューし、4編作品を発表し、原稿料も、合計200万円近く稼がせていただきましたが、その後、本書のような本が発売されれば、手にとってみる体たらくとなってから久しいです(笑)。従って、本書のような作家指南書の研究家でもありますが、その私から見て、本書は、Amazonインタビューからも伝わってくるように、著者の誠実さが滲み出た本ではないかと思います。従って、小説作法としてよりも、日本の出版業界で「小説家」として生活していくという実態の内幕はかなり出ていると思います。

 ただ考えてみればわかる通り、「売れる作家の全技術」というタイトルには、矛盾があります。「売れる作家の全技術」がわかれば、著者の大沢在昌氏をはじめ、本書を読んだというプロの作家たちも、まったく苦労しないわけです。その「全技術」を行使すれば、「売れる」わけですから。

 エンターテインメント、純文学などと「明確に」分けているのは、日本だけで、世界的に見れば、ただのフィクションだけがあるわけです。日本ではそれほど知られていない、C・E・ベックホファー・ロバーツだけでなく、「探偵小説は”文学作品”でなければならない」と考えている作家は世界にはあまたおり、またそうでなければ、「作家であり続ける」ことはできないのです。従って、日本で作家を志すなら、一にも二にも、日本語修行に尽きると思います。そして、それでは、大沢在昌の日本語がどうかといえば、舌を巻くほどとは思えない。

 また、氏は、Amazonのインタビューで、多くの同業者たちに読んでいると言われたのは意外であるようなことを言われているが、これは外国ではわりあいあたりまえで、ローレンス・ブロック『ベストセラー作家入門』もかなりの同業者が参考になったと言っている。それほど、作家たちは、デビュー後も、創作に悩んでいるということだと思う。

 本書と同様な指南書として、高橋克彦『小説家』も、日本で、作家としてデビューを目指す人にはお勧めの本である。この種の本で重要なことは、著者が正直であるかどうかであって、その点、大沢氏も高橋氏も信頼がおける。

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「お写真」は、ある日の昼食。

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2012年10月10日 (水)

『読書の技法』──リテラシーを磨け!

『読書の技法』(佐藤優著、東洋経済新報社、2012年7月刊)

 複雑化かつ庶民化もした現代社会では、高度な機器を使いこなしたり、高度な情報にアクセスすることも容易になったし、またそうでもしなければ、自分の望むような成功も覚束ない。たとえば、おととい(2012/10/8)、山中伸弥京大教授が、iPS細胞の作製によって、ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まったが、これだって、生物の基礎がなければ、いくら新聞に解説が書いてあっても、どういうことなのか、さっぱりわからない。関係ない分野だと思っているわけにはいかない。現代は、最低限のリテラシー(ものごとを理解できる能力)がなければ、政治に対する意志を表明することすらできない。テレビで、だれそれが言っていたから、と、真偽のほども疑わしいもののいいなりになるしかない。

 世に勉強本は溢れているが、ちょっと前は、資格試験突破など、すでにある社会の枠のなかで成功するためにはどうするかの、指南本だった。しかも、その勉強内容も、本書ほど、具体的かつ良心的でもなかった。なるほど、本書の著者、佐藤優は、口調も風貌もアクが強く、とっつきにくいし、嗜好の偏りもあるが、大変まっとうである。おそらく、氏のようなやり方に従って勉強(それは、すなわち、「読書」である)し続けることが、「舐められない日本人」になる道でもあるように思われる。

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「お写真」は、10/8夜、街でもらった読売号外をスタバで撮影。

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2012年10月 6日 (土)

昨日(10/5)はジョブズの命日だった……

秋の日の大地に帰るかアップル忌
We name today "Apple day" in autumn day

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