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2012年10月19日 (金)

『別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』──著者自身がグロテスク

『別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』(佐野眞一著、講談社刊 2012年5月刊)

『東電OL殺人事件』はそれなりに読ませたし、被害者の女性の男社会で差別される悲しみも描かれていたように思うが、本書は、その「出自」をテッテイ的に洗う手法はさらに凄みも増し、なんでこんな事件をここまで? というほどである。『東電OL』には、今の「東電問題」に繋がるような根深さも見えたが、本書のテーマはそれほどの社会性も見られない。ありふれた(?)猟奇殺人事件である。それなのに、著者は、それを執拗に意味のある何かと結びつけようとして、気味が悪い。もしかしたら、ボケてしまったのか。

 そして、今度は、「橋下徹」の記事である。今後、「週刊朝日」での連載が続けられるようなら、本書よりさらにグロテスクな本になるだろう。どうせなら、この手法では、「尼崎コンクリート詰め殺人事件」を扱ってほしい。といっても、この事件は、テッテイした「出自」調査は意味をなさず、テッテイした心理分析が待たれるだろう。それは、佐野眞一では荷が勝ちすぎているだろう。

 ま、本書は、ジャーナリストとノンフィクション作家の違い、その深い乖離が見られる貴重本であるとは言える。しかし、読後の空虚感はほかのまっとうな書籍で埋めるしかないだろう。

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