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2012年10月11日 (木)

『小説講座 売れる作家の全技術 ──デビューだけで満足してはいけない』──一応、レビューしたんですけど……(笑)

『小説講座 売れる作家の全技術── デビューだけで満足してはいけない』(大沢在昌著、角川書店、20128月刊)

 私は某文芸誌よりデビューし、4編作品を発表し、原稿料も、合計200万円近く稼がせていただきましたが、その後、本書のような本が発売されれば、手にとってみる体たらくとなってから久しいです(笑)。従って、本書のような作家指南書の研究家でもありますが、その私から見て、本書は、Amazonインタビューからも伝わってくるように、著者の誠実さが滲み出た本ではないかと思います。従って、小説作法としてよりも、日本の出版業界で「小説家」として生活していくという実態の内幕はかなり出ていると思います。

 ただ考えてみればわかる通り、「売れる作家の全技術」というタイトルには、矛盾があります。「売れる作家の全技術」がわかれば、著者の大沢在昌氏をはじめ、本書を読んだというプロの作家たちも、まったく苦労しないわけです。その「全技術」を行使すれば、「売れる」わけですから。

 エンターテインメント、純文学などと「明確に」分けているのは、日本だけで、世界的に見れば、ただのフィクションだけがあるわけです。日本ではそれほど知られていない、C・E・ベックホファー・ロバーツだけでなく、「探偵小説は”文学作品”でなければならない」と考えている作家は世界にはあまたおり、またそうでなければ、「作家であり続ける」ことはできないのです。従って、日本で作家を志すなら、一にも二にも、日本語修行に尽きると思います。そして、それでは、大沢在昌の日本語がどうかといえば、舌を巻くほどとは思えない。

 また、氏は、Amazonのインタビューで、多くの同業者たちに読んでいると言われたのは意外であるようなことを言われているが、これは外国ではわりあいあたりまえで、ローレンス・ブロック『ベストセラー作家入門』もかなりの同業者が参考になったと言っている。それほど、作家たちは、デビュー後も、創作に悩んでいるということだと思う。

 本書と同様な指南書として、高橋克彦『小説家』も、日本で、作家としてデビューを目指す人にはお勧めの本である。この種の本で重要なことは、著者が正直であるかどうかであって、その点、大沢氏も高橋氏も信頼がおける。

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「お写真」は、ある日の昼食。

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