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2013年2月21日 (木)

『ウー・ウェンの中国調味料&スパイスのおいしい使い方』──気分がアガる

『ウー・ウェンの中国調味料&スパイスのおいしい使い方』(ウー・ウェン著、高橋書店、2011年5月刊)

 料理書は常に「更新」している。料理研究家の、その素材に対する、切り口にこそ、昨今の料理書の意味はある。かつての拙レビューには、「浜内千波の時代」と賞賛したものもあるが、もはや、彼女の時代は終わった(笑)。売れている料理研究家は、ブランドものの食器も高級な材料も買える。それが著書で悪目立ちしてしまったら、経済難に苦しむ読者は引く。浜内の料理本はそんな感じだ。

 いま、私がベーシック(レシピや考え方、味が安定していて、日本の家庭料理を支える)と考える料理研究家は、栗原はるみ、有元葉子、土井善晴で、これに、ウーウェンを加えたい。ウーウェンは中国人であるが、上3人の料理研究家のように、和、洋、中、偏見なく研究している。

 これらベーシックな料理研究家の本を出している版元も、彼らの料理を生かすよう、美しく造本している。

 本書は、そのなかでもとりわけ美しい本である。表紙の写真もさることながら、なかの料理の写真も配置も美しい。シンプルな材料を、エキゾチックな中国調味料とスパイス類で、どこか気分がアガるものに変えている。今ではかなりの家庭にありそうな豆板醤、オイスターソースから、買ってはみたものの、棚や冷蔵庫で眠っている、トウチ、花椒(ホワジャオ)、クミン(中東のスパイスではなかったの?)、おまけに、ミカンの皮を干した(ほんとうに普通のミカンを干すだけでできるんです!)……などなどが、見慣れた野菜とともに、新鮮な料理として蘇る。要を得た短い説明を読むたびに、毎度のことながら、ほんとうに、ウーウェンさんという人は、頭のよい人だと思う。

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