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2013年9月14日 (土)

映画『共喰い』──純文学経由ロマンポルノ行き

『共喰い』(青山真治監督、荒井晴彦脚本、田中慎弥原作)

 なんでも、「ロマンポルノ」したかったのだとか。昭和天皇崩御の時間と一致させ、原作にはない「その後」を付け足しているのは、やりすぎ。脚本の荒井晴彦が悪いのか。だいたい、この脚本、まともなセリフのほとんどは原作のまんまである。脚本家としてやることと言ったら、よぶんな「その後」のエピソードしかなかったのか。こういう、いかにもリアルな地方都市を舞台に、方言なんか使ってしまうと、どこかリアリティがあると錯覚に陥ってしまうが、よく考えてみれば、高校生が、父親とその愛人との性行為を克明に観察し、かつ、その他の父の性生活について、つぶさにつかんでいるなどあり得ない。いくら今の高校生がませているとはいえ、セックスもやりすぎで、あるのかもしれないけど、リアルかどうか……。とくに、監督の青山真治は、薄汚いものをも、意味ありげにきれいっぽく撮り、「ギリシア悲劇性」を喚起しようと意図しているようだが、それが却ってあだになって、「過ぎたるは及ばざるがごとし」になっている。

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