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2014年2月 1日 (土)

『努力する人間になってはいけない 』──哲学書を装った(悪い意味での)「ビジネス書」

『努力する人間になってはいけない』(芦田宏直著、ロゼッタストーン、2013年9月刊)

 ハイデッガー、ニーチェなどドイツ系の思想家を、ドイツ語などを引きながら、ネット時代の言語、精神と、哲学の言語、精神をどう折り合わせるかが書かれているようだったので購入したが、よく読んでみると、「ただのビジネス書」であった。とくに、「努力しても目標を達成できない人間」がいちばん悪い(世の中にとって?)と書かれていて、それをタイトルに、エキセントリックに使用しているが、つまりは、会社に都合のよい人間を育成する精神である。

 吉本隆明に私淑していることも述べられているが、国際基準で考えるなら、吉本隆明は、ミッシェル・フーコーとの対談において『世界認識の方法』 (中公文庫)、太平洋戦争時の日本兵のような惨めさをさらけ出していて、日本国内でのみ通用する思想家である。

 著者の、キャリアを並べたつもりであろう長長とした履歴も、「がれきのように積み上げられた」印象で、信用度を上げているかどうかは疑問である。

 若者の啓蒙が主な目的のようであるが、おそらく若者は本書のような本には関心を持たないだろう。Amazonのレビュアーも、5つ星をつけて褒めちぎっている人々の多くが、「本書しか」レビューがないのは、サクラなのだろうか?

 しかしながら、ネット黎明期からのネット活用者ならではの、ネット分析には多少眼を引くものがある。

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