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2014年8月

2014年8月27日 (水)

マドリッド気分

街はやっと暗くなりはじめる午後8時半過ぎくらいから、広場や通りに人がどっと繰り出してきます。二つの美術館を見たあと、スーパーへ買い出しに。いろいろ見て、結局、9時半頃までいました。ホテルの部屋へ帰って、ジュースとかハムとかパンとか、買ったもので、晩ご飯。

街の夏の光が美しい。暑いけど、さらっとした暑さなので、あまり気にならない。

観光客が多く、服装も思い思い。

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2014年8月22日 (金)

即興現代詩「オレンジTシャツの女」

即興現代詩

「オレンジTシャツの女」

その服は、オレンジという範疇なれど、苦いオレンジ、ビターなオレンジ色

なれど、ところどころ国防色に汚れている

誰かに、この女のことを話したい

かなり目立つ女だ

誰もが知っているにちがいない

しかし誰も話しかけない

地下街の、デパートへの入り口の、なんというか、通路に柵状のものがあって

ひとが腰かけてなにか食べたりできるくらいの場所があって、

そこで、そんなふうにする人はあまり行儀がいいとはいえない

いわば、あまりポピュラーでない場所

そこを通れば、かならず座っている女

通行人に背中を向けて、頭部を風呂敷状のもので覆って

その外形は、頭の丸みではなく、なにか、角隠しでも

つけているように角張っている

そして片手にうちわを持って、顔を隠しながら

なにか読んでいる

ほんとうに読んでいるのではないだろう

そうやって時間を潰している

下半身は黒いモンペ状のものを掃いている

その女は今日も、オレンジ色のTシャツだった

国防色の汚れは日に日に増えていっている

そのTシャツ一枚しかないのだろうか?

荷物のようなものを身のまわりにおいているが

着替えは入ってないのだろうか?

手は、異様に白く、炊事などの形跡はない

ホームレスというには、あまりに同じ場所におり

その場が「閉まれば」、立って、所在なげに、反対側のスーパーの入り口の壁にある、ビデオのコマーシャルを見ている

しかし、ほんとうは、何も見ておらず、ただ時間が経っていくのを

待っているのだろう

博多には、そういう女がままいると聞く

かつては娼婦だった女

あるボランティアのオバサンが何気なく話してくれた

話が耳に残っている

「親子で売られてきて」……

そのオレンジは最後に、どんな色になるのだろうか?

べつの色への変わり目は……

その服装の内部には……

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2014年8月18日 (月)

『マック・ザ・ナイフ』聴き比べ

ミコちゃんの『マック・ザ・ナイフ』すばらしー!

ブレヒトの劇『三文オペラ』の劇中歌から生まれたポピュラーソング、『Mac the knife』の、以下、ワタシ的ベスト8。

この8人を、iPodで聴き比べ。

"Oh, the shark, has, pretty teeth, dear...." この歌い出しをどう歌い出すか……。1はぞくぞくする。これに近いのが、ミコちゃんこと、弘田三枝子である。

1、マイケル・ブーブレ(なんたって新しい! ノリの軽さは21世紀的)

2、ケヴィン・スペイシー(主演、脚本、監督、制作、一人四ヤクで、ボビー・ダーリンの生涯映画化、歌い方もそっくりだが、本人より本人らしい)

3、ボビー・ダーリン(いかにも、ある時代を象徴)

4、シナトラ(いかにもマフィアっぽい(笑))

5、弘田三枝子(発音、リズム感、ネイティブに引けをとらない)

6、堺正章+クレイジー・ケン(堺、声ががらがらなれど、歌うまし)

7ルイ・アームストロング(歌だけ独立版としては、オリジナルの歌手)

8エラ・フィッツジェラルド(毎度クリアな英語)

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2014年8月11日 (月)

飯田蛇笏の随筆『薄暮の貌』──日本で、「ボルヘス」であること

 Kindleにダウンロードした、飯田蛇笏のエッセイ、というより随筆を読む。この作品は、「青空文庫」である。底本は作品社の『日本の名随筆 別巻25 俳句』(1993年)であり、親本は、「土の饗宴」(小山書店、1939年)である。

 蛇笏は、横浜の、さる料亭と思しき店へ、句会にのぞむ。昭和十年代の、「暦の上では、もう初秋だと云ふものの、まだ残暑がきびしく」ちょうど今頃の時期である。料亭とはっきり書かれてはいないが、派手な化粧の使用人がいる店である。天井が低く、全体に不潔な感じで陰惨な気持ちがどうしようもない。一堂が集まっている部屋には窓があり、そこからまた、悪臭が漂っているきている。それは、不潔な庭全体に加えて、シェパードが飼われていて、その臭いである。そこから蛇笏は、

  秋を剃る頭髪(かみのけ)土におちにけり

 という句を思いつくが、それは現実の風景にはなんら関係がなく、「山寺かなにかの樹陰で、坊主頭に、髪を剃りこくつてゐる、極端に灰色の人生が思ひに浮かんだ」とある。

 それから、誰か裏で声がし、老人がやさしくシェパードに話しかけ、どうやら散歩に「出した」らしい。この時代なので、リードをつけてというのではなく、ただ放したらしい。そのうち、老人の、「この野郎また捕つてきやがつた」という声がする。一堂、いったい、「何を捕つたのだらう?」と思う。窓から見れば、シェパードは、でかいぶち猫を、まるで、猫がネズミを捕ってくるように捕ってきたのだった。この件により、蛇笏の陰鬱が「一くぎりされる」。

  秋暑く家畜にのびし草の丈

 という一句で、この「随筆」は、結ばれる。まあ、なんと、ボルヘスちっくであることよ!

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2014年8月 8日 (金)

Cry me a river...

"Cry me a river"……「私はあなたを思って川みたいに泣いたわ……」。

デクスター・ゴードンのテナー・サックス、ジュリー・ロンドン(甘い)、スーザン・ボイル(慟哭)、エラ・フィッツ・ジェラルド(英語発音くっきり)、ダイアナ・クラール(知的にアレンジ)、そして、男のマイケル・ブーブレ(演出が華麗すぎ)を、iPodで聴き比べたりするが、やはり好みは、ダイアナ・クラールである。彼女の歌には、大いにインスパイアされる。

彼女は、ナット・キング・コールに私淑していたが、同じ曲を、クラールとコールで聴き比べすると、彼女の「崩し」具合がわかる。

ピアノの弾き語りスタイルはコールのものだったが、スターになるとコールは、ピアノをやめ、歌一本で行くようになった。クラールは、ピアノ弾き語りをやめていない。そこが彼女のスタイルであり、「師」を超えた道でもあった。

Dexter Godon (tenor saxophone ), Julie London(sweet), Susan Boyle (a wail),

Ella Fitzgerald (clear English), Diana Krall(intellectual), and Michael Buble (dramatic)...I listen to them for comparison with iPod.

But I like Diana Krall best. Because she inspire me a lot.

http://youtu.be/S4hPii_RVHE

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2014年8月 4日 (月)

『有元葉子の揚げもの: 家で作ってこそ、まっとうでおいしい』──天才

『有元葉子の揚げもの: 家で作ってこそ、まっとうでおいしい』(有元葉子著、東京書籍、2014年7月刊)

 有元葉子は普通の料理研究家とはどこかちがう。ずっとフォローしてきて、ときに、家族についての本を出した際には、辛辣なレビューも書いたが、毎度、料理に関する新しい本が出るたび思うのは、やはりこの人は天才ではないかということである。これまで、料理の道具、材料への取り組みなどで、もう動かしようのない常識と思われることも、新しい視点、切り口から、料理を見る目を変えてきたように思う。本書はその代表のような本である。揚げ物という、どんな料理家が取り組んでも、とくに目新しいことのないような料理法でも、これだけ新しい見方があったのかと認識をあらたにさせられた。

 まず、揚げ物こそ、家庭で作ってこそまっとうである、という考え方である。それでこそ、油も、調理法も選べるからである。それなくして、まっとうな、体に悪くない揚げ物は考えられない。なぜなら、油には、酸化が少ないオリーブ油かごま油を使うことが「お約束」だからである。オリーブ油か、ごま油を使えば、決してもたれることなく、冷めてもおいしいという。そして、材料の切り方、衣の処理等、プチトマトやブロッコリーといった、メイン料理にはなりにくい野菜を、すばらしい料理にしたてていく。

 揚げ物といえば、とかくべたべたしがちな台所周囲も、この人が扱えば、さっぱりと清潔に行うことができる。

 本のつらえも、装丁、写真等、端正で清潔で知的で、有元の思想をよく使えているといえる。凡百の「料理家」が、まさに「ごった煮」状態の今の料理界にあって、有元葉子の料理への取り組みは、ひとり凜として美しい。

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