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2014年12月18日 (木)

『ゴーン・ガール』──ロザムンド・パイク賛江!(★★★★)

『ゴーン・ガール』──ロザムンド・パイク賛江!(★★★★)

『ゴーン・ガール』(デヴィッド・フィンチャー監督、2014年、原題『GONE GIRL』)

 デヴィッド・フィンチャー監督は、毎回、ベストセラーや話題の社会現象を映画化、キャスティングもドラマ運びも、洗練されたものを持っているので、安心して見ることができる。しかし、どうだろう? 『セブン』で、血みどろ+絆創膏いっぱいの、ブラッド・ピットの美しさを際立たせて以来、それ以上の作品を作っているだろうか? 

 本作は、アメリカ経済の凋落の中で、堕落していく夫婦を描いたようだが、それを、夫婦間のスリラーに変えている。しかし果たして、ほんとうにスリラーだろうか? スリラーにはしてはあまり恐くないのである。そしてミステリーにしては、「謎」を早く解きすぎる。なるほど、物語は、これまでの紋切り型という地雷を、うまく避けるように進んでいく。

 目を惹きつけられるのは、ロザムンド・パイクの完全犯罪ぶりである。このイギリス人女優は、「無表情がウリのカメレオン俳優」という矛盾するキャラクターの持ち主である。はじめて見たのは、ブルース・ウィリス主演のSF『サロゲート』。ここで、パイクは、アンドロイド妻を演じていた。トム・クルーズ主演の『アウトロー』では、理知的な弁護士。『17歳の肖像』では、17歳のヒロインがダブるデートする、恋人の友だちのガールフレンド。やさしそうな、芯の強そうな眼差しが、どんな役を演じていても印象に残る。今作でも、自身を被害者に見立てるための細工の動きがすばらしい。人相を変えるために菓子をぼりぼり食って太ってみせる、その食べ方も堂にいって、身につまされてしまった(笑)。

 原作者が自ら書いた脚本は、確かによくできていておもしろかった。しかし、フィンチャー、監督としてはどうだろう? トーンダウンしてはいないか? トレント・レズナーの音楽も、今回はサエなかったように思う。

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