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2015年1月26日 (月)

『ビッグ・アイズ』──微妙なテーマと豪華な俳優陣(★★★)

まずモデルとなった画家の絵にまったく魅力を感じない。「ポップアートの草分け」だの、「わくわく」だの配給会社から配られた資料まんまに「盛り上げて」書かれている「映画.com」のライターさんもごくろうさまなこったです(笑)。

 この映画の見所は、新人画家が世に出て行くための細部で、それは、1950〜60年代のアメリカも、今の日本もそれほど変わらないような気がする。かててくわえて、絵画界(画壇とはちと違う)のリアリティを作り上げている俳優たちである。スノッブな画廊経営者の、ジェイソン・シュワルツマン(あまり脚光を浴びるタイプではないが、この人が出ると妙に映画がそれこそ、芸術っぽくなる。『グランドブダペスト・ホテル』しかり、『ムーンライト・キングダム』しかり『ダージリン急行』しかり)と、やはり多少美術に関わっていたらしい、「まっとうな美術評論家」役の、英国のがんこジーサン、テレンス・スタンプ、新聞記者役の、ジョン・ヒューストンの息子でアンジェリカの弟のダニエル・ヒューストンたちである。そういう重厚な俳優陣を背景として、エイミー・アダムスの微妙さを出せる演技と、ヴォルツのおちゃらけが展開されるのである。まあ、ぜいたくきわまりない映画であるが、ちょっと演出法を間違っちゃったようである。これは、むしろ、胡散くさいキーンの役を、ティム・バートン御用達俳優、ジョニー・デップにやらせて、彼が主役の映画にすれば、バートンらしさはもっと出てテーマもくっきりしたかも……(笑)。しかし、デップがこういう題材はやりたがらないだろう。映画的なおもしろさはどこにもないからだ。音楽のダニー・エルフマンも、今回は、なんかサエないような……。

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