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2015年1月12日 (月)

『トラッシュ! ーこの街が輝く日までー』──少年たちが主役の極上のミステリー(★★★★★)

『トラッシュ! ーこの街が輝く日までー』(スティーヴン・ダルドリー監督、2014年、原題『TRASH』)

 ブラジルという問題を抱えた国の、底辺に生きる少年たちの世界に材を取りながら、おとなの鑑賞に耐える極上のミステリーとなっている。伏線もすばらしく、登場人物たちの、いわゆる「キャラだち」もきめ細かく、なにより、少年たちが自力で事件を解決していくストーリーにも、これまでのストリート・チルドレンものにはない、すがすがしさがある。

 少年たちはオーディションで選ばれた無名の少年たちであるということだが、同じような選考方法でキャストを選んだ、7人のオバチャンの物語『滝を見に行く』の学芸会ぶりとはえらい違いの、目を惹きつける演技である。少年たちの才能もあるだろうが、彼らにのびのび演技させている監督の演出力もものを言っている。

 名前のある俳優として、神父役のマーチン・シーンと、ボランティアで勉強を教えるアメリカ人女性役の、ルーニー・マーラの、どちらも、少年たちを引き立たせかつ包み込みような演技でプロらしさを見せている。ブラジルという国のゴミの街のエネルギーをフットワークのよいカメラワークで見せつけ、音楽もさりげなく最新の洗練をあてている。テーマ、美学、エンターテインメント、そのどれをとっても「2015年」を感じさせる、年頭いきなり、ナンバーワンの映画である。

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